介護をする時に心がけなければいけないことは、“介護を受ける方が快適な生活が送れるようサポートする”こと同時に、“介護する側の負担もなるべくないようにする”ことが大切です。
介護を大変な苦労と考えストレスを感じてしまうようでは介護疲れが溜まってしまいます。こうしたストレスをできるだけ少なくするよう心がけるのが、長く介護を続ける秘訣です。それには、家族間で役割を分担し家族全員で介護にあたるということも大切なことでしょう。さらに“これが家族間の絆を深めるきっかけにもなるのではないか”といったような常にプラス指向の考え方をもつということも大切です。
また協力を求める人が周りにいない場合には、相談窓口に相談したり、アドバイスを求めることも重要です。時にはヘルパーさん等のプロの方に一部を任せてみるのも良いでしょう。
奉仕精神で尽くすことも大切ですが、それによってストレスを溜め、気の休まらない日々を送らなければいけないようだと介護を続けることができなくなり、結果的には介護を受ける側のためにもなりません。
“決して手を抜くということではなく、適度に気を抜く”という感覚をもちながら無理なく続けることが重要です。
趣味や好きなことを把握し、それを楽しめるような環境づくりとサポートが必要です。
好きな話題について話しかけたり楽しみや生きがいをもって生活できる雰囲気を作りましょう。
「いけません」、「ダメです」、「違います」など、相手を否定する言葉はできるだけ使わないようにしましょう。介護を受ける側は、これらの言葉に対し人格を否定されたような気持ちになったり、悲観的受け止めて不安になったりします。こうなるとお互いの関係に溝を作ってしまう結果となり、次第に介護も大変になってしまいます。まず話をじっくり聞き、相手の気持ちを受容したうえで、わかりやすい言葉で語りかけるように心がけることが大切です。
まず安全に食べてもらう配慮が大切です。咽につまらせたりの無いよう食べ物の大きさ、堅さに十分きを配りましょう。
食べるときは、最初からすべてサポートするのではなく、リハビリも兼ねてできるだけ自分でたべるよう努力してもらうことも大事です。そのために、最近では使いやすい自助具も多く販売されています。これらを上手く使い自立心をサポートすることが重要となります。
また、食べる場所も家族と一緒にするなど、あえてベットにしない等の配慮で気分転換を図ったりすることも良いでしょう。
まず医師から入浴の許可が出ていることが前提です。事前に顔色等の体調をよくチェックし、事前に排泄などの配慮もしておきましょう。
入浴は体力を消耗しますので、湯加減、体調の変化などに気を配りながら長くならないよう注意しましょう。入浴のできない方には、熱いタオルで体を拭くなど衛生面にも気を配りましょう。
排泄はだれでも人の世話になりたくないものです。できるだけ自立心をサポートするような配慮が必要です。自分でできる場合はトイレに近い部屋にしたり、移動式のトイレを設置するなどの配慮をしましょう。やむをえず紙おむつを使用する場合でもくせにならないようにする配慮が必要です。
一日のはじまりの歯磨き洗顔は疾病予防や規則正しい生活を送る上で重要です。リハビリにもつながりますのでなるべく自分でできるようにサポートしながらやってもらうようにしましょう。
昼間は散歩や好きなことに時間をあて、規則正しい生活パターンを送れるよう心がけてください。
昼間に睡眠をとりすぎると夜に眠れなくなり生活のサイクルが変わることで体調を崩す原因にもつながります。日当りの良い場所に連れ出すなど気分を変えてあげる配慮も大切です。
その際の車椅子やベッド等の介護器具(特に可動部を含むもの)の誤った操作は事故につながります。使用前に必ず各部を点検し、操作を熟知してから使用するようにしましょう。